INTRODUCTION
イントロダクション

これは宗教二世の苦しみから
再生への一歩を踏み出す魂の物語。

宗教に執心した母に苦しめられてきたユメは大人になってからも自分に自信を持てず、失敗を繰り返していた。そんなある日、彼女は1枚の馬のポスターに心を惹かれて牧場に出かけ、忘れていた幼少期の記憶を呼び覚ます。他人、母、祖母そして自分…繊細ゆえに多くの悩みを抱えるユメは心の世界と現実を行き来し、内なる旅を続ける…。宗教二世、毒親、ホースセラピー等社会的なテーマを織り込んだ若い視点の映画が誕生しました。

主人公ユメを演じるのは、ジャンルを問わず活躍の場を広げている葛堂里奈。本作では自身の内面から滲み出るものを掘り下げることに努め、その葛藤を瑞々しい演技で体現した。そしてその幼少期には心月なつる。その他、岡元あつこ、大方斐紗子、小曽根叶乃、今井久美子、澁谷麻美、内田岳志の演技派が脇を固める。

監督は、女性としては珍しくピンク映画助監督として映画界に入り、以後様々な作品に携わってきた新人モテギワコ。現在世間を騒がせている旧統一教会の二世信者問題がクローズアップされる前、2021年3月よりこの企画は進められ、撮影は同年11月に行われた。ありのままにこだわった初監督作品の本作では、メインロケ地、長野県・開田高原でのココロの物語が雄大な自然の中で紡がれていく。

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STORY
ストーリー

東京都内で母キヌコと二人きりの生活を続けている主人公ユメは、幼い頃より母からの強い束縛を感じていた。
母は宗教に執心し、ユメにはつらく当たっていたのだ。

彼女は言葉にならない想いを「母へ宛てた手紙」に書き始めるが、
うまくまとめることが出来ない。
そんなある日、ユメは一枚の馬のポスターと出会う。

そのポスターに惹かれた彼女は牧場に行き、馬たちと触れ合い始める。

ユメは母への手紙を完成させることができるのだろうか?

CAST
キャスト
娘・ユメ役葛堂里奈

1990年生まれ/東京都出身。バウムアンドクーヘン所属。
2003年から2006年にかけて日本ナレーション演技研究所に在籍。2010年に初舞台。2013年10月『旅のしおり2013』より劇団ぶるドッキングヘッドロックに入団し、現在も活動中。舞台や映像などジャンルを問わず活躍の場を広げている。最近の主な出演作品に、舞台ほろびて『心白』、劇団papercraft『世界が朝を知ろうとも』、映画『BADLANDS』(原田眞人監督)、TVドラマ『刑事7人』、『相棒』などがある。

母・キヌコ役岡元あつこ

1973年生まれ/東京都出身。浅井企画所属。
テレビ朝日『トゥナイト2』の女子大生リポーターとして絶大な人気を博す。その後、タレント・女優として活躍。読売テレビ『トクボウ 警察庁特殊防犯課』『婚活刑事』、映画『ある家族』『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』舞台『うつつ~小松政夫の大生前葬~』東京マハロ公演『あの日わたしをはだかにして』など。

祖母・ハナ役大方斐紗子

1939年生まれ/福島県出身。合同会社現代に所属。
テレビ『テレビ東京当番弁護士』『テレビ東京機捜235』2020年『NHKいだてん』レギュラー『日本テレビあなたの番です』映画『閉鎖病棟』『Daughters』『鈴木さん』『なんのちゃんの第二次世界大戦』『おらがおらでひとりいぐも』『あなたの番です 劇場版』などに出演。

先生・里子役小曽根叶乃

東京都出身。スタジオオーデュボン所属。
映画『貞子vs伽耶子』、『貞子』、NHKBSプレミアムドラマ『ダイアリー』、FODドラマ『あの子が生まれる…』、テレビ神奈川「OTHELLO」などへの出演の他、多方面で活躍中。

幼いユメ役心月なつる

2014年生まれ/スマイルモンキー所属。
’21Eテレ『おかっぱ頭のトメさん』’20TX『しまじろうのわお!』映画’18自主制作映画『蔵町の夕映え』りな役などに出演。

ガリ勉女の母・信子役今井久美子

1972年生まれ/東京都出身。浅井企画所属。
関根勤が座長を勤める『カンコンキンシアター』の名物女優として話題に。主な出演作にテレビ東京『死役所』フジテレビ『明石家マンション物語』、映画『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』『猫は抱くもの』『騒音』『神様のパズル』など。

ガリ勉女役澁谷麻美

1987年生まれ/鹿児島県出身。BIRD LABEL所属。
映画だけでなく、テレビドラマ、CM、モデル等多方面で活躍している。近年の主な出演作は、映画『大綱引の恋』『滑走路』『ヒキタさん!ご懐妊ですよ』『まだ見ぬあなたに』『王国(あるいはその家について)』『ゆめのまにまに』など。

花婿役内田岳志

1972年生まれ/東京都出身。浅井企画所属。
父は昭和の名俳優・故内田朝雄。舞台やTVドラマに出演するほか声優としても活躍。『HAWAII FIVE-0』サン・ミン役、『メディア王~華麗なる一族~SUCCESSION』ローマン役、『馬医』チャボン役、『朱蒙』マリ役、『ボスを守れ』主演:チソン役などの声を担当。

COMMENT
コメント

心とはなんとも脆く不安定なものだ。母の愛情を感じられず彷徨った自身の魂の軌跡を、モテギ監督は素直にたどり、見つめ、詩的に昇華している。狂気をはらんだ母の束縛に重苦しい恐怖を覚えたが、やがて逃れ、解放された境地には、傷跡を残した不思議な気高さと清々しさがあった。ピアノの調べも効果的に響く。

本木克英
(映画監督)

私の助監督をしてくれたモテギさんが映画を撮った。いったい彼女がどんな映画を撮るのか興味津々だったが、宗教二世、三世というテーマを掲げつつ、母親との関係に向き合っていた。そう聞いた訳ではないが、きっと実体験を元にしているのだろう。余計な飾りと余計なウソがなく、かわりに必死さのある映画だった

足立 紳
(脚本家・映画監督)

とても力強く芸術的で、心動かされる作品でした。
まず、幼い少女ユメ(主人公)の演技に目を惹かれました。成長したユメも大変表現豊かで、特に馬たちとの場面が印象的でした。また、私たち観客が単に母親の人物像を全否定するのではなく、理解しようという気持ちに自然とさせてくれた描写が大変素晴らしかったです。

Bruce Barth
(ジャズピアニスト・作曲家)

山と馬とピアノの光景が、ひたすら美しく、静かに心に染みわたる。カルト二世にとって、親はどのような存在なのだろう。決して振り返ってくれない母を前に、娘は、どんなふうに現実と向き合ったらいいのか。すれ違い続ける母と娘の深淵から、目が離せなかった。

小谷真理
(SF&ファンタジー評論家)

不思議な映画、そう、本当に不思議。自然の木立が、木々が美しい。その美しい景色の中に、少女がいる。すると映画を切り取って、一枚の絵画のように美しい。ふと、我に返って、「うーん、ストーリーは?」って考える。そんなの野暮なこと。そう。主人公の名前の通り「夢」そう、夢の物語なんだ。

水谷八重子
(女優)

心の拠り所、という言葉はあるが本当にそんなもの、あるのだろうか?例え見つけられなくともひとは何か、誰かに触れ合いたくて手を伸ばす。探り続ける。本当は届かなかった「それ」を映画に託す。モテギワコの作ったこの映画は誰かに差し伸べる彼女の手の様なものなのかも知れない。たとえ振りほどかれたとしても。

川瀬陽太
(俳優)

長い間、声をあげることが出来なかった宗教2世の苦しみ。雪崩のあとの雪解けと共に洗い流す時が来たのかもしれない。それでもまだ始まったばかり。答えはまだ見えてはいない。山も馬も語り掛けることはない。辿り着く場所を手探りで探しているココロを観た。

田中要次
(俳優)

母であることはかくも恐ろしいことなのだろうか。子どもの心を損なうには、暴力や虐待はいらない。日常に潜むすれ違いや寂しさが大きな亀裂につながっていく。母娘のわかりあえなさや宗教二世問題を描きながらも、本作を見た後には自分の母や子どもを抱きしめたくなった。

河合香織
(ノンフィクション作家)

毒親、親ガチャ、アダルトチルドレン、育て直し…。親子関係の息苦しさを象徴する言葉が近年増えているが、もはや「家庭の問題」として見過ごされてはいけないほど現状は深刻だ。母の胎内で生きるため養分を受け継いだ子が親の養分となるのは生の代償なのか。互いを縛り合う愛憎の連鎖を断ち切るのは子か、親か、それともー。

キニマンス塚本ニキ
(翻訳者・ラジオパーソナリティ)
TEATRE
公開劇場
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〒180-8520
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連日トークショー開催予定
詳しくは劇場HPをご覧下さい

公開日 2023.3.24(金)〜
〈大阪〉シアターセブン

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大阪府大阪市淀川区十三本町1丁目7−27
066-302-2073
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公開日 2023. 4.8(土)〜
〈神奈川〉横浜シネマリン

〒231-0033
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公開日 2023. 4.22(土)〜
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